北海道の暮らし~北海道ならではのこと
北海道は冷涼で、道南の一部を除くと本州とは違った植生が展開しており、北海道独自の動植物が生息しています。
植生が違う、ということは人々の生活も変わってくるということです。
経済が発達し東京と北海道が近くなり、生活レベルも均一化したとは言え、やはり北海道には北海道ならではのことがいっぱいあります。ここでは、その一例を紹介します。
◆冬は暖かい北海道
北国だから、雪が降るから、気温が低いから、北海道の冬はとんでもなく寒いと思っている人は多いようです。
「寒いのが苦手だから冬の北海道には行きたくない」と言う言葉を聞いたのも一度や二度ではありません。
でも、すっかり北海道人になってしまったという立場から言わせると、本州こそ寒い。
まず、家の造りが違います。
湿度が高い日本では、湿気がこもらないように風通しの良い住宅造りをしていることが多いと思います。
ところが同じ日本でも、北海道は乾燥しているし、冬は外気温が下がるため、熱を逃がさないような造りになっています。
壁や床には断熱材がたっぷりと使用され、窓ガラスは2重ガラスやサッシが外窓と内窓の2枚になっていたりします。窓の部分は冷気が入ってきやすい場所であるため、外気の影響をなるべく受けないようにしているのと、外気温と室温の差により発生する結露を、間に空気の層を挟むことによって防止するためです
。玄関も、ドアの向こうがいきなり外ではなくて、外気や冷たい風が直接室内に入らいないように通風室(風除室)を設けている家も多くあります。
古い家は、断熱材が使用されていなかったり、隙間風が吹くこともありますが、窓は2重窓になっています。
北海道の古い家は、厳しい自然環境の中で風雪に長い間さらされて来たため、傷みの激しい家が多く、本州の古民家のように風情のある家は少ないので、住むなら新しい家の方が断然住みやすいです。
古い家は開拓期の名残の貧しい時代に建てられたため、家そのものの造りもしっかりとしていないから傷みが激しいのだと、以前地元のお年寄りに聞いたこともあります。
少し話がそれましたが、室内には大きなストーブが設置されており、部屋全体、家全体を暖めます。
本州によくある局所暖房と違うので、ストーブの前で丸まっているということにはなりません。
地球温暖化により省エネが言われていますが、室温を何度か下げたとしても、家が密閉されており隙間風が無いため、急に凍えるということはありません。
また、ストーブを一度消してしまうと家が冷え切ってしまい、再度点火した時にかなり大きく燃やさないと暖まらないため、かえって燃料の無駄になるということもあるようで、ストーブは長時間つけっ放しになります。
煙筒式やFF式で排気がきちんとされるため、つけっ放しでも大丈夫です。
灯油は各家庭にあるタンク(戸建てだと400リットル)に貯めておき、定期的に入れに来てもらいます。灯油代は膨大です。
薪ストーブや暖炉を使用している一般家庭が多いのも特徴です(北海道の景色にぴったり!)
今は環境保護の関心が高く、さすがにそう言った時代ではないですが、一昔前までは、冬の北海道の室内は半袖で過ごし、おやつにアイスクリームを食べると言った例え話が良く聞かれました。
さらに、交通手段が自家用車が中心の北海道では、冬の寒い時期には、運転前にあらかじめエンジンをかけておいて暖気します。
アイドリングストップと言われており、新しい車は依然と違い暖気運転が必要無い、暖気運転により燃費も変化はないとされていますが、冷え方が尋常じゃないので車を暖めてから乗ることが多いです。
よって、外出時も、暖かい家の中から、暖まった車の間、ほんの数秒だけが寒いだけ、なんてこともあります。
確かに気温は低い、でも冬にもっとも長い時間を過ごすことになる建物の中は暖かいのが北海道です。私なんかは、冬には実家に帰省したくないですもの・・・。
また、北海道では防寒着や防寒グッズが充実しているため、外に出るのが苦痛だと言うほどでもありません(個人差は大きいですが)。
防寒の靴(北海道の冬にスニーカーや革靴はつらいです、滑るので)、肌着、ウエア、帽子、耳あて、手袋、ネックウォーマーなど、おしゃれな物もいっぱいあるので、着込みすぎてみっともないということもありません。
子供達も、防寒用のつなぎと長靴とスパッツ(長靴にかぶせるものでキャハンと言うことも)で、元気一杯に遊んでいます。
お年寄りも、雪かきなどで外に出ることも多いですし、きちんとした服装さえしていれば、体感温度が本州に比べて極端に寒くて凍えてしまうという事は無いでしょう。
◆水を落とす
冬に気温が下がる北海道では、冷え込んだ時には水道管が凍結する恐れがあります。
新しい家は断熱がきちんとしており家そのものが暖かいので、それ程神経質になる必要はないようですが、長期間の外出時などは心配です。
水道管が凍結してしまうと、当然水は出ませんし、水道管が破裂してしまうこともあります。
水道管が破裂すると、室内は水浸しです。
水道工事は費用がかかるため、修繕費用も高額になります。
水道管の凍結を防止するために「水を落とす」という作業を行います。
冬に地面も凍結する寒冷地では、水道管と建物の基礎は凍結しない深さ(地域によって決められていて1mとか1.5mとか)まで埋め込まれています。
この深さのところで水をストップさせることを「水を落とす」と言うのです。
通常の家には部屋の中などに水抜き栓がついていて簡単に水を落とすことができます。
古い家や水道管凍結の恐れが大きい家では、毎晩水を落とすこともあります。
水を落としてしまうと、水道水は使えませんが、水抜き栓で再度簡単に出すことができます。
車&ドライブ
公共の交通機関が発達していない北海道では、車はかなり重要なアイテムです。
北海道は道路が広く、信号が少ない、札幌を除くと渋滞がほとんど無い、景色が良い、などから、快適なドライブをすることができます。
ただし、春から秋の道路が凍結していない期間は、です。
晩秋から初春にかけて、山の中や峠道はもっと長い期間、北海道は道路が凍結してスリップしやすい路面になります。濡れた道路が凍った「ブラックアイスバーン」、積った雪が踏み固められた「圧雪アイスバーン」、雪が融けかけのシャーベット状、アスファルト上を雪が舞い上がっている「雪が走っている」状態、などなど、いずれの路面もとても滑りやすい状態です。
一応、秋に夏タイヤからスタッドレスタイヤに交換するものの、スタッドレスだから滑らないということは全くありません。よく、本州から来た人に「タイヤがスタッドレスだと滑らないよね」と聞かれるのですが、これは大きな間違いです。
北海道の人であれば、1度や2度、スリップしてハンドルもブレーキも全く効かなくなったという経験をしたことがある人が多いのではないでしょうか?
冬には道路脇の側溝や畑に落ちている車もよく見かけます。
アイスバーンでもその種類や気温、天候により状況が変わりやすいのが冬の北海道の道路です。急アクセル、急ブレーキ、急ハンドルは禁物ですし、慣れても慣れても慣れないのがアイスバーンと言ったところでしょう。
ちなみに、町中の急な坂道などはロードヒーティングで融かされています。登れなかったり、止まれなかったりする車がいたら危険であるためためです。
ロードヒーティングの入っていない坂道では、滑り止め用の砂が準備されており滑って坂道を走れないときには砂を撒きます。
また、道路には雪を融かすために融雪剤(主に塩化カルシウム)が撒かれます。
この融雪剤が車の錆の原因となるため、マメに洗い流す必要があります。
北海道の中古車は錆がひどいと言われているのは、塩化カルシウムが原因だったのです。
車そのものは、昔は寒冷地仕様でなければならない等と言われていましたが、現在は寒冷地仕様の車を生産しないメーカーもあるほどで、寒冷地仕様でなくても問題ないようです。
あえて言えば、バッテリーを大きいのに交換する、冬用のワイパーを用意するなどです。
滑りやすい路面になるため4WDが主流で、軽自動車や1300ccの小さい車でも4WDだったりします。もちろんFR、FFの車も走っていますが、凍った路面ではちょっとした段差を超えられなかったりするため、技術と経験が必要です。
雪、吹雪、雪かき&氷割り
北国北海道、札幌などの豪雪地帯に比べると、量は少ないとは言え道東にもそれなりに雪が降ります。
また、山が少なく平らな原野が広がる道東地方では、冬に強い風が吹くとすぐに吹雪になります。
一面畑が広がっており、森が少ない部分では吹きさらしとなるため、雪が舞いホワイトアウトと言う状況が発生しやすくなります。
寒い時期の雪はいわゆるパウダースノーというやつで、軽くてさらさらなので、強風が吹くと地面に積もった雪が舞い上がり地吹雪になります。
そういう時には道路が通行止めになり、陸の孤島になる地域も多くあります。
ちなみに、パウダースノーなので、雪が固まりにくく、雪だるまができません。
雪が降るという事は、当然雪かきが必要です。道路は除雪車が除雪してくれますが、私有地は自分で除雪です。雪かき用のスコップ、スノーダンプ(ママさんダンプ)など除雪用品が必要ですし、釧路などの氷の張る地域では氷割りも必要となることがあります。


