カントリーな暮らし~人づきあい
地域性と言うのも大きいとは思いますが、田舎では密接な人間関係が展開されています。都会から来た者にとっては、大きな難関です。
◆住民の絆
北海道では小さな集落のことを「部落」と言います。決して差別的な意味でも何でもなく「おれの部落は7軒ある」という言い方を日常的に使います。
同じ部落の人達と言うのは、開拓期からお互い協力してきた関係であり、時には開拓初代の出身地が同じであったりするため、今でも深いつながりを持っています。
北海道の田舎は、本州に比べると外部の人でも溶け込みやすいと一般的に言われています。それは、恐らく歴史が浅いためだと思います。
では、実際はどうなのでしょうか?
北海道の農村部の人たちは、開拓により現在の作り上げてきました。開拓初期には、木を伐採し山を切り開くことからはじめ、何度も何度も失敗して、その日に食べるものも無いと言うほどの貧しい暮らしを続けて、今の姿があります。それは並大抵の苦労ではなかったはずです。
だから、農家の人には自分たちで土地を切り開き、この地域(北海道で言うところの部落)を作り上げたというプライドがあります。その土地に対する愛情も人一倍だと思います。当然住民同士の絆も深く、そう言った意味ではやはりよそ者はよそ者扱いとなるのは仕方がないことかもしれません。20年暮らした人についても「しょせんよそ者だ」と言っている地域もあるくらいです。
しかし、そういう奥深い絆はあるものの、色々な人が移り住んでいる地域では、基本的に大歓迎ムードで受け入れてくれるのが、北海道の良いところです。
都会から来たら、田舎は初めてことばかり。私たちは、初めて食べる食材、初めて耕す畑、初めて採る山菜、などなど、全て地元のおじさんやおばさんに教わりました。山菜なんて採ったことも料理したことも無かった私たちが、現在、ある程度メジャーな山菜であれば自分たちで採って料理して食べることができるようになったのは、間違いなく地元のおじさんやおばさんのおかげだと思います。田舎のおじさんやおばさんは面倒見の良い人が多く、また、私たちのような無知な人に色々なことを教えてくれたり、面白いものを食べさせてくれたりするのです。生活そのものを楽しんでいる人が多く、スローライフを自然体で実践している人たちと仲良くなれたら、自分たちも生活そのものを楽しむ知恵を教えてくれるのです。
ただ、地域によっては、よそから来た人がまるきり根付かない地域もあるようです。公営住宅などに住んでいる転勤族や勤め人ではなくて、山に住んでいる人、農業を始めた人など、絵に描いたような田舎暮らしをしている人がいなかったり少なかったりする地域には何か理由があるようです。購入できる土地が存在しないなどの物理的な理由もあるでしょう。地域によっては、気に入らないよそ物は排除するという、地域のボスが存在するところもあり、移住関係の団体などはこの「地域のボス」こそが地域の足を引っ張っていると言う人もいます。このことは、よそ者の暮らしやすさを反映していると考えられるので、ある程度下調べはした方が良いかもしれません。
◆若者がいない?
田舎で暮らしていると、お年寄りの姿ばかりが目に付きますし、町内会の集まりなどにおいても年配者ばかりです。年配者しかいないのか、と最初は思いますが、実はそんなことも無かったりするのです。特に農村部では、跡取りがいることも多く、20代~40代の人もちゃんと暮らしています。田舎はお年寄りが生涯現役という人も多く、40代50代になっても「どこそこの息子」と呼ばれたりして、なかなか世代交代が進みません。そのため、現役であるおじいちゃんやおばあちゃんを差し置いて若い世代が表に出る必要が無いのか、ただ単にシャイなのかはわかりませんが、田舎に来ると最初に出会うのは年配の人が多く、少し寂しい気分になります。
◆村八分
「村八分」と聞けば日本昔話に出てきそうな言葉ですが、今でも実際に存在するのが田舎の良くないところです。「あいつをこの地域から追い出すことも簡単にできる」なんて言うことを平気でサラリと言っているのは、たいがい年配の人ですが、こういう言葉はその地域の品位を落としてしまいますね。
◆男性優位
郷に入れば郷に従え、と言いますが、都会の人が最も受け入れがたいのが根強く残る「男尊女卑」。女性は男性の3歩後ろが当たり前です。町内会においても、学校PTAにおいても発言権は男性のみだったりすることもあります。実際に、町内会やPTAなどの仕事をしているのは妻であったとしても、名前は男である夫の名前で行わなければならないと言った不思議な矛盾が、小さな町内会、小さな学校であるほどその傾向は強くあります。
例えば町内会の飲み会などでは、お酒を飲むのは男性だけ、女性は男性と一緒に飲んではいけない雰囲気、男性は帰る時には自分の周りのゴミさえ捨てず、あとから女性だけで一生懸命に片付けると言う感じです。
女性はそれをどう思っているのかと言うと、面倒な役割が女性に回ってくることは一切ないので、面倒な事は男性陣にまかせて自分は好きなことをして過ごそうという、強かな面を持っていて、田舎の女性の強いところです。なんだかんだ言っても、威張っているつもりなのは男性本人だけで、実際には手のひらの上で泳がされている感じで、田舎の女性は案外賢いのかもしれません。


