野生生物
北海道には多くの野生生物が生息し、気軽に目にすることができる物もいます。残念ながら、数が減少し、絶滅危惧種に指定されているものも多いのですが、ひたむきに生きている姿を実際に目にすることができる分、人間の罪深さや地球環境について考えさせられます。
◆エゾヒグマ
北海道にはツキノワグマは生息しません。北海道でクマと言えばヒグマのことで、道内には約2000頭程が生息するとされています。近年、ヒグマによる被害や、人里でのヒグマの目撃情報が相次ぎ問題になっています。元来ヒグマは、人間を警戒しており避けて行動しているため、人や車に出会ってもすぐに逃げてしまい、知床半島などを除いて、目撃されることの無い動物です。しかし、人間が捨てたごみを食べて味をしめたヒグマが人里に下りてきたりするのです。森林の伐採などにより生息地が少なくなったことや、エサが少なくなっていることも原因の一つと考えられるでしょう。アイヌの人たちはヒグマを、キムン・カムイ(山の神様)と呼んで共存していました。これからの北海道も、ヒグマと共存できる自然環境の回復が望まれます。
◆キタキツネ
北海道を代表する動物、キタキツネ。お土産としてマスコットになったり、愛くるしい姿が人気者です。人間を恐れず観光客にあいそうを振りまく観光キツネや、人間にエサをねだるおねだりキツネなんかも登場しています。
でも、キタキツネの半分はエキノコックスに感染していると言われていますので、絶対に触ったりしてはいけません。エキノコックスとは寄生虫の一種で、人間に感染すると、最悪の場合は死に至ることもあります。エキノコックスに感染したネズミをキツネが食べることにより感染するという連鎖を繰り返しており、さらにネズミやキツネのうんちなどを介して、犬などにも感染するそうです。だから、北海道では外から帰ったら常に手洗いするを、山菜は生で食べない、など予防策がとられています。学校では、エキノコックス検査が行われ、感染していないが調べます。早期発見で最悪の事態を防ぐためです。
いくらかわいいと言ってもむやみに触ったり、餌をあげることの無いようにしましょう。
◆オオワシ・オジロワシ
北海道を代表する鳥、オオワシとオジロワシ。共に国の天然記念物で絶滅危惧種に指定されています。オジロワシの方がより絶滅が危惧されています。
道東で多く見られるオオワシとオジロワシ。かつては、スケソウダラ漁で栄えた知床半島の羅臼町で、スケソウダラを狙ったワシが集中したそうですが、漁獲量の激減により、今では道東全域で観察されるようになりました。エサは、魚が中心ですが、内陸の小動物を食べることもあるようです。
冬に北海道にやってくるとされていますが、オジロワシに関しては、通念を北海道で過ごす個体もいます。
オジロワシはヨーロッパでも観察できる地域がありますが、オオワシを容易に観察できるのは北海道だけ(ロシアも見れますが、行くのが大変)ということで、世界各国からオオワシを見に訪れるそうです
◆エゾ鹿
道内各地で見られるエゾシカ。明治時代には乱獲などにより数が激減、絶滅するのではと危惧された時期もあったようです。エゾシカは増えやすく減りやすいという特徴があるようで、今ではどちらかというと増えすぎた個体を駆除する動きになっています。
エゾオオカミがエゾシカの天敵とされていたのが、エゾオオカミの絶滅により激増したそうです。
エゾシカの増加により、農産物を食い荒らす被害などが広がり、北海道では、エゾシカの数を調整するため、毎年冬に狩猟を解禁し、一般ハンターも鹿のハンティングを楽しみます。撃ったシカは基本的に食べるのですが、撃つことだけに楽しみを覚えているハンターや、最も美味とされるヒレの部分のみを持ち帰るハンターが、シカの死体を放置することが多いため、シカの死体の回収ボックスが設置されたりしています。放置されたシカの死体に残された鉛の銃弾を、オオワシやオジロワシが食べて、鉛中毒で死亡すると言うことが相次ぎ大問題になったため、現在では鉛弾の使用は禁じられています。
エゾシカを有効利用をしようと言う動きが道東を中心に各地であり、エゾシカバーガーなど、シカ肉を使った新しいメニューを考案し売り出しています。害獣として扱うのでは無く、特産として売り出せば一石二鳥だと言う訳です。
ところで、このエゾシカたち。道路で車との衝突事故が多く、北海道ではシカに注意しながら運転する必要があります。車を見て逃げればよいものを、シカさんたちは車に向かって突っ込んでくるのですから始末におえません。おまけに体が大きいので、車と衝突したら車は大破、下手するとシカさんだけでなく人間の命も危ないのです。
◆シマフクロウ
世界最大のフクロウで羽を広げると全長2m近くにもなり、日本では北海道だけに生息している。世界で1000羽、道内には約130羽ほどしかいないとされる絶滅危惧種で、道内では各地でシマフクロウを保護し増やす試みが行われています。
コタンコロカムイ(森の守り神)と呼ばれアイヌの人に崇められてきたシマフクロウの鳴き声は、森中に響き渡るほど大きく、崇拝されてきた理由がよくわかります。
シマフクロウの激減は、人間による森林の伐採や、河川にあるダムやふ化場により、サケやマスが川に遡上しないためエサが無くなったことなど、人間が直接的な原因となっています。
各地でシマフクロウを保護する活動が行われていますが、シマフクロウをめぐっての人間関係が激しかったり、アマチュアカメラマンによる餌付けなど、シマフクロウを巡る周囲の人々の利権が関与していることも。
何が大切かというのは、シマフクロウが生息できる環境作りが大切だと言う事は一目瞭然なのですが、あまりにも稀少であるが故、シマフクロウをめぐる関係が複雑となっていることが多いようです。
◆エゾリス・シマリス
北海道にはエゾリスとシマリスがいます。どちらもとても愛らしいのですが、エゾシマリスと違って冬眠をしないエゾリスは、1年を通してその姿を見ることができます。オニグルミやマツの実が大好きで、どんぐりも食べます。そのため、オニクルミやチョウセンゴヨウマツ、ミズナラ、カシワなどがまとまって生えている場所に生息しています。
しっぽがボサボサした姿はとても愛らしく、冬には野鳥の餌台にやってくることもあるそうです。冬毛は耳のけがフサフサするのが特徴。
◆タンチョウ
1000円札にはタンチョウが描かれており、日本人にとってなじみ深いタンチョウ。頭が赤いのが特徴です。非常に美しい鶴で、北海道を象徴する鳥となっています。
乱獲や生息地である湿原の減少などにより、一時は絶滅されたとされるタンチョウが、再び目撃されたのは1924年のことだそうです。鶴居村で発見されました。それ以来の手厚い保護により、現在では1000羽を超えるまで増えました。
冬に餌が不足するため越冬が課題とされて、旧阿寒町の農家が畑に餌をまいたのがきっかけで、鶴居村などに冬の給餌場が作られました。今では、少ない給餌場に多くのタンチョウが集中するのは、伝染病の可能性などから問題視され、越冬場所を分散させる動きになってきています。
タンチョウは一度ツガイになると一生添いとげると言われています。まさに夫婦の鏡!です。
◆ナキウサギ
日本では北海道だけに生息する小さなウサギです。絶滅危惧種ではあるものの、天然記念物には指定されていません。2006年にナキウサギの保護団体が天然記念物の指定を目指して署名を提出したところ、地元の自治体が指定の必要はないとの見解を示したというニュースは、北海道で大きく取り上げられました。その後も、自治体や道教育委員会は、ナキウサギの生息地そのものが保護されている場所であるため、天然記念物への指定は必要ないとの見解を示したそうです。さらに調査が行われていますが、2008年現在未だ指定には至っていません。
大雪山系連峰、日高山脈から夕張山地、北見山地に生息が確認されており、標高の高い所にいます。
その名の通り「ぴぃっぴぃっ」と鳴き、体長は15cmほど、耳が小さく尻尾も短い小さなかわいらしいウサギです。
◆数多くの小さな野鳥たち
自然豊かな北海道では、様々な野鳥が見られます。
野鳥は数をあげればキリがないのですが、散歩中にふと目にすることもあるので、野鳥の本を一冊携帯して散歩すれば良いと思います。
ちなみに私は窓からぼーっと野鳥たちを眺めているだけで、1日が過ごせます。
北海道では渡りの季節が本州と異なることがあるため、本州では冬鳥として観察される鳥が、こちらでは夏鳥だったりすることもあります。
ベニヒワやノゴマなど北海道でしか見られないとされる野鳥もいて、バードウォッチャーたちが各地から訪れます。
◆ハクチョウやガン
越冬のために飛来したり、移動途中に休憩したり、北海道の水辺では秋から春にかけて多くの白鳥が見られます。
秋に白鳥の鳴き声が聞こえると、冬の訪れを感じる季節の風物詩です。
ハクチョウと同時期か少し早めに渡りに入るガン類もいて、ヒシクイなど絶滅危惧種に指定されている希少な野鳥も普通に見られます。


